裏庭からスピカ

基本は雑記、ときどき小説の話……をしたい。

お菓子には夢がある

たぶん愛とか希望とか魔法とかもある。そりゃもうてんこ盛りよ。

お菓子屋さん、洋菓子店、パティスリー、呼び名は何でもいいのですが、とにかく店のショーケースに色とりどりのケーキが整然と並んでいる光景はとても美しいと思います。宝石箱になぞらえて語られることもきっと多いでしょう。

でも生菓子は生き物同然。その命の短さ、儚さゆえに宝石とはまったく別種の美しさなのです。もし私がInstagramをしていたなら、おそらく半分の画像はケーキ類で占められるんじゃなかろうか。

最近、若木民喜なのは洋菓子店のいい仕事』というマンガを読み終えました。とにかくお菓子たちが美味しそうな絵で描かれていてどれも片っ端から食べてみたくなる。ミルフィーユ、モンブラン、フォレ・ノワールフロマージュ・クリュ、オペラ……。

作中で触れられるのですが、洋菓子店ならどこでもありそうな苺ショートが実はそうではないというのはたまたま知っておりました。かつて住んでいた場所の近くにあったパティスリーのショーケースになく、不思議に思って調べましたから。「フランスから来ました」みたいな顔をしているあの子は日本生まれ。でも美味しけりゃ何でもいい。

そんなフランス志向のパティスリーである、大阪吹田にあったケ・モンテベロ(現在は移転して北新地)がめっちゃ好きでした。木の扉の先、通路を抜けてたどり着くほの暗い店の佇まいも含めて。