裏庭からスピカ

基本は雑記、ときどき小説の話……をしたい。

ピアノマン

話題としてはちょっと遅れていますが、今回の本屋大賞を受賞した作品は恩田陸蜜蜂と遠雷』でした。ちなみに前回が宮下奈都『羊と鋼の森』、どちらも未読ではありますがまずタイトルがいいですよね。淡々としていながらリリカルな。

 

蜜蜂と遠雷』の主人公はピアニスト、『羊と鋼の森』は調律師と違いはあるものの、いずれにも共通するのはピアノです。

こちらはノンフィクションですがT・E・カーハート『パリ左岸のピアノ工房』が非常に素晴らしかったのもあり、音楽を題材とした作品にはどうしても大きく期待をかけてしまいます。新川直司四月は君の嘘』も好きですとも。

 

で、タイトルの“ピアノマン”を思い出した。イギリスの浜辺で倒れていたスーツ姿の男性が記憶喪失でありながらも見事なピアノ演奏を披露した、というあれですね。

いつ頃だったっけ、と思って調べてみたら2005年。もうそんなになるのか。

そしてその後の話を知ってがっかり。お芝居的な嘘をつくにしても、せめてピアノを弾けないと成り立たないんじゃない?